NASDAQ100 (ナスダック100):NDXとは
NASDAQ100 ®(登録商標) は、米国のNASDAQ市場に上場している約3000社から、金融関連銘柄以外の時価総額上位の銘柄で、かつ、流動性が高い、100銘柄の時価総額加重平均によって算出される株価指数のことです。
実際は、2021年現在は、102銘柄で構成されています。表1参照
米国の株式インデックス(指標)には、S&P500やダウ平均などのインデックスが存在し、それらに連動するのインデックスファンド(投資信託)や、インデックスETFへの投資が莫大な額になっています。
その中でも、最強のインデックスと思われるのが、NASDAQ100インデックスです。では、NASDAQ100とは、何なのか?本当に最強なのかを、見ていきましょう。
NASDAQ100 :NDXは最強インデックス
その中身を見てみると、アメリカを代表するというより、世界中で活躍する超グローバル企業であり、先端技術・情報通信技術関連の企業銘柄を中心として構成されていることがわかります。表1にNASDAQ100を構成する銘柄の時価総額トップ10を示しました。
Symbol | 銘柄 | 時価総額:USD | |
1 | AAPL | アップル | 2,576,328,724,000 |
2 | MSFT | マイクロソフト | 2,252,363,204,851 |
3 | GOOG | アルファベット | 1,927,595,095,013 |
4 | GOOGL | アルファベット Class A | 1,920,307,463,912 |
5 | AMZN | アマゾン | 1,696,388,359,008 |
6 | FB | フェイスブック | 1,050,609,604,408 |
7 | TSLA | テスラ | 704,811,591,283 |
8 | NVDA | エヌビディア | 565,900,000,000 |
9 | ASML | エースエムエル | 341,311,318,077 |
10 | PYPL | ペイパル | 327,046,698,310 |
出所:NASDAQ.comのデータから筆者作成
ちなみに、下表2は、2021年のNASDAQ100 を全102銘柄を1年トータルリターン順で並べ替えたリストです。また、トップ30の1年トータルリターンをグラフ化したものを図1に示しています。
新型コロナと、半導体不足の問題で、それらの関連企業のパフォーマンスが上位を占めていることが分かります。
名前 | 1年 | |
1 | モデルナ | 466.34% |
2 | クラウドストライク ・ホールディングス | 137.96% |
3 | アライン・テクノロジー | 133.50% |
4 | ASMLホールディング ADR | 119.50% |
5 | アプライド・マテリアルズ | 116.51% |
6 | アトラシアン | 86.22% |
7 | NXPセミコンダクターズ | 78.03% |
8 | アルファベット | 75.81% |
9 | アルファベット | 75.68% |
10 | アイデックス・ ラボラトリーズ | 74.04% |
11 | ラムリサーチ | 73.78% |
12 | CDW | 72.75% |
13 | エヌビディア | 72.16% |
14 | KLA テンコール | 64.39% |
15 | インチュイト | 63.51% |
16 | ミクロン・テクノロジー | 61.96% |
17 | テスラ | 60.82% |
18 | マーベル・テクノロジー ・グループ | 60.37% |
19 | メルカドリブレ | 58.20% |
20 | シノプシス | 51.17% |
21 | ザイリンクス | 48.96% |
22 | ペイチェックス | 47.94% |
23 | オートマチック・ データ・プロセシング | 47.84% |
24 | ケイデンス・デザイン ・システムズ | 46.55% |
25 | マイクロチップ ・テクノロジー | 44.21% |
26 | ブロードコム | 43.83% |
27 | インテューイティブ ・サージカル | 42.57% |
28 | イーベイ | 40.80% |
29 | シスコ・システムズ | 39.86% |
30 | ドキュサイン | 39.73% |
31 | アナログ・デバイセズ | 39.22% |
32 | コパート | 38.78% |
33 | Peloton Interactive | 37.36% |
34 | ハネウェル・インター ナショナル | 37.27% |
35 | ペイパル・ホール ディングス | 36.12% |
36 | スターバックス | 35.44% |
37 | Fox Corp Class A | 33.74% |
38 | コムキャスト | 33.30% |
39 | テキサス・ インスツルメンツ | 32.78% |
40 | エクセロン | 32.53% |
41 | イルミナ | 31.24% |
42 | チャーター・ コミュニケーションズ | 31.11% |
43 | マイクロソフト | 30.93% |
44 | アドバンスト・ マイクロ・デバイセズ | 30.22% |
45 | CSX コーポレーション | 30.21% |
46 | コストコ・ホールセール | 29.27% |
47 | マリオット・インター ナショナル | 28.01% |
48 | オライリー・オート ・パーツ | 27.86% |
49 | スカイワークス・ ソリューションズ | 27.73% |
50 | オートデスク | 27.59% |
51 | アドビ・システムズ | 27.51% |
52 | フェイスブック | 26.89% |
53 | ロス・ストアーズ | 26.71% |
54 | マッチ・グループ | 26.46% |
55 | オクタ | 26.16% |
56 | ウォルグリーン・ ブーツ・アライアンス | 25.08% |
57 | デクスコム | 24.29% |
58 | Fox Corp Class B | 23.67% |
59 | クアルコム | 22.55% |
60 | バイオジェン・ アイデック | 21.93% |
61 | アップル | 19.06% |
62 | メトロ PCS コミュニケーションズ | 19.03% |
63 | バイドゥ | 18.81% |
64 | プライスライン・ドット ・コム・インコーポ レイテッド | 18.52% |
65 | フィザーブ | 17.75% |
66 | シンタス | 17.31% |
67 | ドクター・ペッパー ・スナップル | 16.83% |
68 | モンスター・ビバレッジ | 15.13% |
69 | コグニザント・ テクノロジー・ ソリューションズ | 14.11% |
70 | ファステナル・ カンパニー | 13.98% |
71 | アメリカン・ エレクトリック・パワー | 13.96% |
72 | ズーム・ビデオ・ コミュニケーションズ | 13.88% |
73 | ペプシコ | 10.72% |
74 | ワークデイ | 10.41% |
75 | リジェネロン・ファーマ シューティカルズ | 10.07% |
76 | ギリアド・サイエンシズ | 9.22% |
77 | Seagen | 8.56% |
78 | アンシス | 8.41% |
79 | ルルレモン・アスレティカ | 7.55% |
80 | インテル | 6.86% |
81 | ネットフリックス | 6.69% |
82 | ベリスク・アナリティクス | 6.50% |
83 | クラフト・フーヅ | 6.14% |
84 | ピンドュオドュオ | 6.09% |
85 | セルナー | 5.55% |
86 | シリウス・サテライト ・ラジオ | 4.87% |
87 | クラフト・ハインツ | 4.30% |
88 | ベリサイン | 3.13% |
89 | エレクトロニック・ アーツ | 1.47% |
90 | エクセル・エナジー | 0.07% |
91 | チェックポイント・ ソフトウエア・ テクノロジーズ | -0.17% |
92 | アクティビジョン・ ブリザード | -0.94% |
93 | アマゾン・ドット ・コム | -1.53% |
94 | ダラーツリー | -4.05% |
95 | JDドット・コム Adr | -4.41% |
96 | パッカー | -4.90% |
97 | Trip.com ADR | -7.18% |
98 | ネットイース | -8.00% |
99 | アムジェン | -11.99% |
100 | インサイト | -19.40% |
101 | バーテックス・ ファーマシュー ティカルズ | -25.94% |
102 | スプランク | -29.65% |
ASML、アプライドマテリアルズ、などは、その業界の方以外には、あまり見聞きしたたことがない銘柄であると思いますが、半導体業界では世界トップシェアの企業です。
アップル、アマゾン、フェイスブック、アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、テスラ、などなど、誰もが知っている大型グローバル成長企業が含まれています。
これを見ただけでも、最強インデックスであることが一目瞭然です。
でも、S&P500も同じように、 アップル、アマゾン、フェイスブック、アルファベット(グーグル)、マイクロソフト、テスラ は入っているよね?という声が聞こえてきそうですが、その通りです。
若干、組み入れ比率が異なりますが、同様の銘柄がS&P500にも存在しています。
S&P500は、500銘柄で構成されたインデックスで、所謂、上記のGAFA+Mの5銘柄で、その時価総額の23%を占めています。
しかし、残りの495銘柄のパフォーマンスの影響で、NASDAQ100インデックスの方が、トータルリターンが上回っていると考えられます。
また、2020年度の時価総額は、約15兆ドル(1650兆円)であり、成長性、将来性、規模、などの観点から見ても、最強と言えそうです。
https://www.nasdaq.com/ 米国ナスダックのウェブサイト
のレポートによると、2007年から2021年の13年間で、S&P500と比較して、年間トータルリターンで、11回も上回っていると報告されています。
the Nasdaq-100 outperform the S&P 500 by a wide margin between December 31, 2007 and March 31, 2021. Below is a comparison of annual total returns – which reinvest dividends – between each index. The Nasdaq-100 TR Index has outperformed 11 out of the 13 years in our study.
翻訳文:2007年12月31日から2021年3月31日までの間にNasdaq-100がS&P500を大幅に上回っています。各インデックス間の年間トータルリターン(配当を再投資する)の比較。ナスダック100TR指数は、私たちの調査では13年のうち11年を上回っています。
引用元:Nasdaqウェブサイト
https://www.nasdaq.com/articles/when-performance-matters%3A-nasdaq-100-vs.-sp-500-first-quarter-21-2021-06-04
ETFのメリットデメリット
投資信託のメリットデメリット
さらに、購入単価を抑え、コツコツ積立投資したいなら、投資信託がおすすめです。
NASDAQ100連動ETF とNASDAQ100連動投資信託10選
上記のNASDAQ100を構成する個別銘柄すべてに投資することは、個人投資家では不可能に近いですが、NASDAQ100指数に連動するETFや投資信託に投資することで、米国ハイテクグロース株のGAFAM含む100銘柄に分散投資することができます。
また、最低購入金額は、ETFであれば、ざっくり、1万~4万円で、NASDAQ100を構成する銘柄に投資することが可能となります。
表3は、米国市場に上場するNASDAQ100と連動するETFと、日本市場に上場するETF、さらに、日本市場で購入できる投資信託をおすすめ商品を10個リストアップしたものです。
NASDAQ100に連動するETF・投資信託のなかで、経費率、資産総額、トータルリターン、リスクの観点から選択したものです。
米国市場 | ETF:上場投資信託 | 資産総額 (億USD) | 2021/8/27 終値USD: | 1年トータル リターン | 経費率 | 売買単位 | |
1 | QQQ | インベスコQQQ | 1900.729 | 376.04 | 29.93% | 0.2% | 1株 |
日本市場 | ETF:上場投資信託 | 資産総額 (億円) | 2021/8/27 終値:円 | 1年トータル リターン | 経費率 | 売買単位 | |
2 | 1545 | NEXT FUNDS NASDAQ 100連動型 | 400.79 | 17,060 | 32.83% | 0.275% | 1株 |
3 | 2568 | 上場インデックスファンド 米国株式ヘッジ無 | 158.6 | 2,902 | 12.86% | 0.275% | 10株 |
4 | 2569 | 上場インデックスファン 米国株式ヘッジ有 | 245.97 | 2,752 | 18.79% | 0.495% | 10株 |
5 | 2631 | MAXIS ナスダック100 上場投信 | 60.55 | 12,110 | *12.94% 3ヶ月リターン | 0.220% | 1株 |
6 | 2632 | MAXIS ナスダック100 上場投信ヘッジ有 | 19.7 | 11,590 | *12.02 3ヶ月リターン | 0.220% | 1株 |
日本市場 | 投資信託 | 資産総額 (億円) | 基準価額 | 1年トータル リターン | 経費率 | 売買単位 | |
7 | 0331A211 | eMAXIS NASDAQ100 インデックス | 162.64 | 12,408 | *8.29% 3ヶ月リターン | 0.440% | 100円 積立可能 |
8 | 2314208 | インデックスファンド NASDAQ100 | 134.14 | 13,104 | *8.28% 3ヶ月リターン | 0.484% | 100円 積立可能 |
9 | 4317188 | iFreeNEXT NASDAQ100 インデックス | 343.7 | 19,890 | 47.80% | 0.495% | 100円 積立可能 |
10 | 25316203 | NZAM・ベータ NASDAQ100 | 17.89 | 21,591 | 45.49% | 0.440% | 100円 積立可能 |
出所:YahooJAPANファイナンス,モーニングスターのデータから筆者作成
超巨大ETFインベスコQQQ について
QQQは、米国市場に上場しているETFですから、外国株式を売買するための口座を開設する必要があります。また、円ではなく、米ドルで購入することになりますので、米ドルを準備する必要があり、円から米ドルの交換には為替手数料が掛かります。
利用する証券会社や銀行により、為替手数料が異なることにも注意が必要です。やはり、為替手数料の安いネット証券やネットバンクをお勧めします。
おすすめは、SBI銀行とSBI証券の両方に口座を持つことです。SBI銀行で米ドルに交換して、SBI証券口座に入金する方法が、今のところ、最安の方法です。(2021年10月現在)
では、QQQに投資するメリットとは、何でしょう?となる方もいますよね。
インベスコQQQ のメリット
日本国内市場である東証に上場しているNASDAQ100と連動するETFがあるのに、なぜ、米国市場に上場しているQQQに投資するのか?と思いませんか。
その答えは、円以外の通貨に分散投資したいからです。
つまり、円だけでは、円の価値が下がれば当然、保有している資産価値も下がりますが、逆に、為替変動により、ドルの価値が上がれば米ドル建ての保有資産の価値も上がります。
世界の基軸通貨である米ドルで資産を保有していれば、円の価値が下がっても、米ドルの価値が同時に下がることは、ほぼありません。
通貨も分散して、為替リスクを分散しておこうという方には、NASDAQ100と連動する唯一のETFであるQQQを検討する価値ありです。
また、上記の10選のETFでは、経費率も、年率0.2%と最小なので、長期投資にも有利に働きますからね。
インベスコQQQ のデメリット
デメリットとしては、分配金には、米国で10%税金が掛かり、日本国内でも20.315%の税金がかかることです。
この回避方法としては、
NISA預かりで取引すれば、20.315%は非課税になりますので利用した方がいいですね。但し、米国での課税は非課税にできません。
または、NISA預かりにしない場合は、二重課税されたことを確定申告すれば、米国で課税された分を取り戻せる制度があります。
日本市場に上場するNASDAQ100と連動するETFについて
表3のNO.2~NO.6の日本市場に上場するNASDAQ100と連動するETFについては、個人の投資戦略により選択すればよいと思います。
経費率を重視したいのなら、純資産総額がまだ少ないですが、2631: MAXIS ナスダック100
上場投信 ヘッジなし、2632: MAXIS ナスダック100上場投信 ヘッジ有りが候補になるでしょう。
ヘッジ有りとは、為替変動の影響を低減したい、円高になると考える方は、ヘッジ有りを選択する。
ヘッジなしは、通貨分散したい方、円安になると予想するなら、ヘッジなしを選択することになるでしょう。
実績やトータルリターンを重視するなら、 1545:NEXT FUNDS NASDAQ100連動型 ほかになるのではないでしょうか。
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まとめ
☆NASDAQ100は、S&P500を上回る最強の株式指数である
☆株式のように売買したい、経費を抑えたい派の方は、NASDAQ100連動ETF
☆少しでも購入単価を抑えながら、積立投資派の方は、 NASDAQ100連動投資信託
☆通貨リスクを分散するなら、米国市場上場のインベスコQQQも検討する
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※最終的な投資判断は、自己責任において行っていただきますようお願いします。
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