救世主その2が現る

けいは、気が付けば、轟音と共に、波にのフェイスを滑っていた。まるで、ジェットコースターに乗っているかのように、けたたましいスープと共に、ケイは、ビーチへ向かっていた。
まだ、岸までは、10m以上はあった。河口のため上流から流れで、濁流のようなカレントがあり、やっとの思いで岸に近づいたが、再び、カレントに流され、沖に押し戻されていた。その時、
もう一人の見知らぬ短パンで上半身裸の人が、無謀にも体一つで飛び込みケイを助けようと泳いで近づいてきた。
が、そのまま、その人はケイの横を通り過ぎ、流れて行ってしまった。
ケイは、見知らぬ人と先輩2から、

先輩2
「もう一回乗れ!」
大波のスープに巻かれて、ショアブレイクと共に、なんとかボードごとビーチに打ち上げられた。
その見知らぬ人は、余裕で泳いで自力で上がった。このポイントの地形もカレントもどこから上がれば、流されないのかも、すべてを熟知しているようであった。

やべー、たすかったあーーー。マジで死ぬかと思った。
ケイは、魂を抜かれたようになったじょうたいで、薄暗くなっていた空をみつめながら、大の字になったまま、しばらく放心状態であった。
命の恩人となった、先輩2と、見知らぬ人である二人の救世主に今までで一番の感謝の念を抱きつつ礼をいい、見知らぬ人救世主に名前を聞いたが、答えずに去っていった。
そして、長い長い、人生初サーフィンの日が暮れようとしていた。

もーう、ケイさんたらほんと心配させるんだからー。
なんて、ジュリアは、ケイさんが流される前に、家に帰ってたけどね。入らなくて、正解、正解。あっぶなかったぁ。

※このストーリーはフィクションであり、実在の人物、団体とは一切関係ありません。
人生はサーフィンだ4につづく・・・