β値(ベータ値)とは
β値(ベータ値)とは、個別銘柄と、日経平均株価やTOPIXなどの、ベンチマーク(指標)との連動性または、感応性を表す値のこと。
ある株式銘柄の株価と、日経平均株価とを比較した場合、日経平均株価と連動するか、連動しないか、または、逆の動きをするのかなどが、このβ値を見ればわかります。当然、未来の株価ではなく、過去の値動きの傾向を表したものということに注意が必要です。
β値(ベータ値)とベンチマークとの相関性
では、β値(ベータ値)とベンチマークとの相関性を見てみましょう。下表は、β値とベンチマークとの相関関係をまとめたものです。

例えば、β値が、1より大きい(β>1)場合、ベンチマークより変動する幅が大きい銘柄であることがわかります。日経平均株価が、5%上昇すれば、その銘柄の株価は、5%以上で上昇することになります。逆に、日経平均株価が、5%下落した場合、その銘柄の株価は、5%以上下落するということになります。
注記*1:図1,図2は日本経済新聞社ウェブサイトのチャートを元に追記した図
つまり、このβ>1の銘柄は、ベンチマークと比較して、レバレッジ効果が期待できる反面、リスクも大きい銘柄である、という傾向がわかります。
また、β値が、1(β=1)場合、ベンチマークとほぼ同じ動きをする連動する銘柄であることがわかります。日経平均株価が、5%上昇すれば、その銘柄の株価も5%上昇するということです。
β値が、ゼロ(β=0)場合、ベンチマークと連動しない、相関性がない傾向がある銘柄ということがわかります。
また、β値が、マイナス(β<0)の場合、ベンチマークと逆の値動きになる傾向がある銘柄であることがわかります。この逆相関性のある銘柄を組み合わせると、リスクを分散できるということになります。
これらの、相関性を考慮した上で銘柄選択をし、ポートフォリオを構築すれば、リスク分散効果やレバレッジ効果が得られるということに繋がりますね。
もちろん、その他の様々な、分析が必要となりますが、ベンチマークと銘柄との相関性の傾向を考慮したポートフォリオであれば、市場平均が上昇傾向であれ、下落傾向であれ、総崩れになることは、回避できると考えられます。では、次に個別銘柄で確認してみましょう。
実際の銘柄の株価推移と日経平均株価との比較
参考に東証一部上場企業:三井ハイテクの3年間の株価推移と日経平均株価推移とを比較したチャートを図1に示します。3年前の株価を0%として、週間平均株価推移を比較したチャートである。

図1を見てみると、3年間の推計におけるベータ値が+2.64であり、確かに、日経平均株価と比較して、下落幅、上昇幅が大きく変動していることが分かります。がしかし、全ての期間で、+2.64倍の変動幅になっているわけではありません。次に、ベータ値がゼロの銘柄を見てみます。

図2は、はごろもフーズの株価の推移と日経平均株価推移とを比較したもので、表示期間等は、図1と同様。はごろもフーズの過去3年間のベータ値は、0.0(ゼロ)であり、日経平均株価との相関性がないことになりますが、ある期間は、相関性があるような推移をしており、また、ある期間は、逆の動きをしている、かつ、変動幅が小さい時期と大きい時期が混在しているようです。
その結果、ベータ値がゼロ→相関性が認められない銘柄であるとも言えそうです。この銘柄の場合は、相関関係がない銘柄なので、詳細にチャートやその他の様々な項目を確認しなけれなりませんね。
ベータ値を算出する期間や、算出条件によってベータ値も変わるため、ベータ値はあくまでも、その銘柄の傾向を知るための指標で、参考とする程度にした方が良さそうです。
また、ポートフォリオを構成する上では、ベータ値が異なる金融商品(株式、投資信託など)を組み合わせることは、リスクを分散し、ベンチマークより高いリターンを期待するために、参考指標となると考えられます。
まとめ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
SEE YOU !!
コメント