人気のある米国のインデックスETF(上場投資信託)
2021年11月時点で、米国市場に上場しているETFは、約2,700本も存在しています。多すぎて、どれを選べばいいの?って思う方も多いですよね。みんな同じです。正解は、各個々人により異なります。

どれを選べばいいの?多過ぎて選べないぞ!

だよねー!
ケイも正解はわからない!だから比較するのさ。
今回は、高配当株式ETFから、3つをピックアップしてみたよ。
米国の株式インデックスであるS&P500、ダウ工業株30種平均や、ナスダック100等のインデックスに連動するETFが、人気も実績もあるETFとして有名です。
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【一生使える投資の知識】初心者におすすめETF銘柄はこれだ!国内ETFと外国ETF 10選 (東証上場のETF)
【一生使える投資の知識】海外ETF(VT,VOO,SPY,QQQ)のおすすめ10選はこれだ!
例えば、S&P500に連動するETFでは、 SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD) 、バンガード S&P 500 ETF(VOO) など、NASDAQ100インデックスと連動するETFとしては、 インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ) などが、その代表的なETFです。これらは、ほんの一例に過ぎません。
数あるETFの中でも、【SPYD】や、【VYM】などの高配当株式ETFというものが存在しており、下表に示す通り(SBI証券の人気ランキングによる)、人気ランキングの常連になっています。
☆人気のある米国ETF | |
1 | SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD) |
2 | バンガード S&P 500 ETF(VOO) |
3 | バンガード 米国高配当株式ETF(VYM) |
4 | バンガード トータルストックマーケットETF(VTI) |
5 | SPDR S&P 500 ETF TRUST(SPY) |
6 | インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ET(QQQ) |
FIRE(ファイアー)目指している人にとって、これらの高配当ETFが必要なのかも合わせて検証していきます。FIREとは、経済的に自立して、早期退職して自由なライフスタイルを実現することを指します。海外では、FIREムーブメントという現象が若者の間で流行しています。
もちろん、それFIREを目指していない方にも有用な情報になるはずです。
FIREについてもっと知りたい方は、下記の記事も参照してください。
【FIREとは】セミリタイア,早期退職,アーリーリタイア,伝説の投資家ジム・ロジャーズもアーリーリタイア
ポートフォリオに米国高配当株式ETFをトッピングする
投資戦略として、上述のインデックスETFを、ポートフォリオのコアにしている方も多いのではないでしょうか。
ちなみに、コア・サテライト戦略とは、例えば、コアの部分は、安定したリターンが期待できる投資対象とし、残りを、攻めの投資対象に設定するという考え方の投資戦略のことです。イメージ的に示すとしたら、下図のようなイメージになります。
一般的な例では、コア:サテライト=7:3 や、8:2などの割合とし、コア部分には、インデックスファンドやインデックスETFに配分し、サテライト部分に、高めのリターンが期待できるETFや個別株式等に配分する。といった感じです。

配分割合は、個人の投資戦略により変更するべき項目です。コア部分、サテライト部分も各個人によって様々なパターンになるでしょうから、決まりはありません。
これらの高配当株式ETFをサテライトの部分に加えることで、コアの部分で安定的なリターンを得ながら、サテライトの部分でよりハイリターンを狙い、トータルリターンを高めるという戦略になります。
ということで、これらの高配当株式ETFに焦点を当て、比較分析し、似たような高配当株式ETFのメリットとデメリット、異なる点について等について、検証していきます。
米国高配当株式ETF3選 【VYM】,【SPYD】 , 【HDV】
高配当株式ETF は、類似したETFが複数存在しており、どれがいいのか迷いますね。そこで、米国の高配当株式ETFのなかで、人気の下記3本のETFの特徴と内容を確認します。
【VYM】 :バンガード・ハイディビデンド・イールドETF ➡米国バンガード社が運用
【SPYD】:SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF➡ステート・ストリート社が運用
【HDV】:iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF➡ブラックロック社が運用
【VYM】バンガード・ハイディビデンド・イールドETF(米国高配当株式ETF)
VYMは、バンガード社が運用し、FTSEハイディビデンド・イールド指数に連動する投資成果を目指しているETFです。
FTSEハイディビデンド・イールド指数 とは、米国株式市場に上場する株式のなかで、高配当利回りの銘柄で構成される時価総額加重平均型の株価指数です。*RIET(リート)は除外されています。
【VYM】バンガード・ハイディビデンド・イールドETF(米国高配当株式ETF) の基本データは、下表の通り。
【VYM】の特徴
- 410銘柄に分散投資している➡3本中で最大の銘柄に分散投資している
- 経費率0.06% 3本中最低コスト➡VYM>SPYD>HDV
- 投資セクター➡金融・生活必需品・ヘルスケアセクターに(約50%)その他幅広く分散
- 2006年から運用➡3本中で最長の運用実績がある
- 純資産総額が3本中最大➡4兆円を超える。SPYD:約6千億円,HDV:約8千億円
ファンド名 | バンガード・ 米国高配当株式ETF |
上場市場 | NYSE Arca |
TICKER (ティッカー) | VYM |
銘柄数 | 410 |
純資産総額 2021/11/20 | 40.478(10億USD) 約4兆6千億円 (114円換算) |
経費率 | 0.06% |
分配金(配当金) | 4回/年 |
2021/11/18 終値 | 41.08USD |
直近配当額 2021/09/20 | 0.7488USD |
直近配当利回り (税込) | 2.71% |
1年トータルリターン | 31.89% |
シャープレシオ 1年・3年 | 2.9・0.71 |
指標:インデックス | FTSE ハイディビデンド・ イールド・インデックス |
設定日 | 2006/11/16 |
管理(運用)会社 | バンガード |
組入れ銘柄上位10銘柄および、投資セクターは、下表のとおり。
組入銘柄 上位10 | 銘柄 | 投資セクター |
1 | JPモルガンチェース | 金融 |
2 | ジョンソン&ジョンソン | ヘルスケア |
3 | ホームデポ株式会社 | 生活必需品 |
4 | バンクオブアメリカ コーポレーション | 金融 |
5 | プロクター・アンド ・ギャンブル | 生活必需品 |
6 | エクソンモービル | エネルギー |
7 | ファイザー | ヘルスケア |
8 | シスコシステムズ | IT・通信 |
9 | コムキャスト | サービス |
10 | ペプシコ | 一般消費財 |

セクター | 割合 |
素材 | 4.30% |
一般消費サービス | 8.70% |
生活必需品 | 12.50% |
エネルギー | 7.40% |
金融 | 23.00% |
ヘルスケア | 12.30% |
産業 | 10.00% |
テクノロジー | 7.30% |
通信 | 6.60% |
ユーティリティ | 7.90% |
【SPYD】SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF
SPYDは、 ステート・ストリート社が運用し、 S&P500®高配当指数と連動する運用成果を目指すETFです。
S&P500®高配当指数 は、S&P500®指数の採用銘柄のうち配当利回りが高い80銘柄の成績を元に計算する指数です。
【SPYD】の特徴
- 79銘柄に分散投資している➡3本中では中間
- 経費率0.07%➡3本中では中間
- 配当利回り(分配金利回り)が3本中最高➡SPYD>HDV>VYM
- 投資セクター➡金融18.54%が最大で,公益事業17%と不動産セクター17%の比率が高い
- 上位10銘柄は、略金融セクターが占める
- 2015年から運用➡3本中では最短運用期間
【SPYD】SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF の基本データは、下表の通り。
ファンド名 | SPDR®ポートフォリオ S&P500®高配当株式ETF |
上場市場 | NYSE Arca |
TICKER | SPYD |
銘柄数 | 79 |
純資産総額 2021/11/18 | 5.178(10億USD) 約5,906億円 (114円換算) |
2021/11/19終値 | 40.56USD |
経費 | 0.07% |
分配金(配当金) | 4回/年 |
直近配当額 ( 09/17/2021) | 0.386582USD |
直近配当利回り(税込) | 3.81% |
1年トータルリターン | 36.72% |
シャープレシオ 1年・3年 | 2.8・0.43 |
指標:インデックス | S&P500®高配当指数 |
設定日 | 2015/10/21 |
管理(運用)会社 | ステート・ ストリート社 |
組入銘柄 上位10 | 銘柄 | セクター |
1 | サイモンプロ パティグループ | 不動産 |
2 | コメリカ | 金融 |
3 | リージョンズ フィナンシャル コーポレーション | 金融 |
4 | KeyCorp | 金融 |
5 | ファイザー | ヘルスケア |
6 | M&Tバンクコー ポレーション | 金融 |
7 | ピープルズ ユナイテッド ファイナンシャル | 金融 |
8 | ワンオーク | エネルギー |
9 | ブロードコム | 情報技術 |
10 | フランクリン リソース | 金融 |
セクター | |
金融 | 18.54% |
公益事業 | 17.02% |
不動産 | 16.89% |
エネルギー | 12.18% |
生活必需品 | 8.25% |
ヘルスケア | 6.20% |
情報技術 | 6.06% |
素材 | 5.83% |
コミュニケー ション・サービス | 5.79% |
一般消費財・ サービス | 3.24% |

出所: ステート・ストリート社 ウェブサイトデータから筆者作成
【HDV】iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF
HDVは、 ブラックロック社が運用し、 モーニングスター配当フォーカス指数と連動する運用成果を目指すETFです。
モーニングスター社により算出され、米国株式市場全体の約97%を占める株式のなかで、75銘柄の高配当株式で構成される指数(配当込み)のことです。
【HDV】の特徴
- 75銘柄に分散投資している➡3本中では最少だが、少数精鋭部隊を厳選している
- 経費率0.08%➡3本中では最高だが、0.02%の僅差で経費率としては低コスト
- 配当利回り➡SPYD>HDV>VYM 3本の中間
- 投資セクター➡ヘルスケアが最大、エネルギー、生活必需品、情報・通信セクターが多い
- 上位10銘柄➡生活に必要な商品やサービスを提供する馴染みのある銘柄が多い
- 2011年から運用➡3本中で中間
【HDV】iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF の基本データは、下表の通り。
ファンド名 | iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF |
上場市場 | NYSE Arca |
TICKER | HDV |
2021/11/19終値 | 97.2USD |
経費率 | 0.08% |
純資産総額 2021/11/19 | 7.359(10億USD) 約8,324億円 (114円換算) |
分配金(配当金) | 4回/年 |
直近配当額 ( 09/17/2021) | 0.764133 |
直近配当利回り (税込) | 3.14% |
シャープレシオ 1年・3年 | 2.3・0.43 |
1年トータルリターン | 21.35% |
指標:インデックス | モーニングスター 配当フォーカス指数 |
設定日 | 2011/3/31 |
管理(運用)会社 | ブラックロック社 |
組入銘柄 上位10 | 銘柄名 | 業種 |
1 | エクソンモービル | エネルギー |
2 | AT&T | 通信 |
3 | シェブロン | エネルギー |
4 | ジョンソン& ジョンソン | ヘルスケア |
5 | アッヴィ | ヘルスケア |
6 | ベライゾン | 通信 |
7 | プロクター・アンド ・ギャンブル | 生活必需品 |
8 | メルク | ヘルスケア |
9 | ブロードコム | 情報技術 |
10 | フィリップモリス インターナショナル | 生活必需品 |

市場価格推移を相対比較してみた
下図のグラフは、過去5年間:2016年11月を基準(ゼロ)とした場合に、2021年11月までの、市場価格の推移を表したものです。
- VYM:赤色
- SPYD:青色
- HDV:オレンジ色

出所:Bloombergウェブサイトデータを元に筆者作成
参考情報
FIREに関心がある方に、FIRE関連本を2冊紹介します。どちらも、著者の半生と如何にしてFIREを実現したのかを描いた書籍になっています。左側が、日本のFIRE先駆者と紹介されている穂高唯希さんの著書で、右側が、米国のFIRE第一人者とされるクリスティーン・シェンさんの著書です。

とても、参考になりました、この2冊に、投資に関する実践的な内容が書かれており、何れにも、高配当ETF【VYM】についても触れられていました。
興味のある方は、ぜひ読んでみてはいかがでしょうか。
まとめ
3本のETFのなかでも、VYMが最も、コロナショック以前よりも上昇している結果となっています。SPYDとHDVは、この先、持ち直し上昇に期待できそうです。
どれを選択するかは、投資戦略次第です。資金投入の時期によって、得られるリターンも当然変化するということを考慮し、戦略を練って決定することが肝要です。
インカムゲイン(分配金・配当金のこと)とキャピタルゲイン(売買差益)を狙うなら、上昇の余地を期待してSPYD、HDVの方が、いいのではないでしょうか。
人気がある➡需要がある➡資金流入増加➡価額上昇を期待する
それとも、実績重視と、これから、まだまだ上昇を期待してVYMに投資するか?
それとも、VYMとSPYD or HDVの両方に投資するか?最終的には投資家自身の戦略と判断により決定するしかありません。
いずれにせよ、上記3本の高配当株式ETFをポートフォリオにトッピングすることは、トータルリターンを増加させるために検討の価値ありです。
以上、これらの情報が投資家の皆さんにお役に立てることを願っております。
今後も更新していきますので、チェックしてみてください。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
それでは、また!SEE YOU!!
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