2020年代ハードディスクドライブは技術革新を続ける

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雑学ブログ
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ケイは、かつて、コンピュータのハードディスク(外部記憶装置)などのストレージ関連機器の開発設計に携わっていたことから、コンピューター関連のニュースをフォローしています。

最近では、国産スーパーコンピューターの【富岳】が、先代の【京】以来、9年ぶりに世界のスパコンランキングの4部門で世界1位になったニュースには、久しぶりに熱くなりました。

日本の技術力は、まだまだ世界で戦っていけるんだという証を見せてくれて、素直にうれしく、勇気をもらいました。

おめでとう!『 富岳 』そして、日本のすべてのエンジニアのみなさんの活躍をこれからも陰ながら応援します。ともに頑張ろう!

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ハードディスクドライブ【HDD】の現状

2020年現在は、パソコン内蔵ストレージ(データを長期間保管するための補助記憶装置)の半数以上が、リードライト(読み出し書き込み)速度がHDDより高速な半導体メモリーであるソリッドステートドライブ(以下SSD)を採用しています。データサーバーにおいても同様の傾向が進行しており、IDEMA(日本HDD協会)発行の「2020年のストレージとHDD業界展望」レポートによると、2020年には、HDDの台数をSSDが上回るとの予測が報告されています。 https://idema.gr.jp/common/pdf/news/tenbo2020.pdf

ちなみに、IDEMA(日本HDD協会)のウェブサイトはこちらです。

IDEMA Japan|ハードディスク業界の発展のために
IDEMA JAPANが、HDD関連ニュースや当協会の催事のご案内を発信いたします。

このままでは、これまで培われたHDDの精密高精度技術が消え去ることになるのか?その動向が気になり、これまでと今後のHDDの動向を調べてみました。

——————————- 技術者募集 ——————————-
【企 業 名】株式会社ファンコミュニケーションズ
【概  要】「A8.net」を開発運用するアフィリエイトソリューションプロバイダー
     の株式会社ファンコミュニケーションズが業務拡大につき技術者を募集中。
【業務内容】A8.net/Moba8.netの企画・設計・開発・運用・保守など。
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世界初のHDDはママチャリのタイヤ並みのサイズだった

まずは、ここから始まったんだね。世界初のHDDは、1956年に米国IBMが製造した『RAMAC』(Random Access Method of Accounting and Control)24インチ(直径約61cm)のディスク50枚にデータ容量はわずか5MBしか記録できなかった。

出典: https://www.ibm.com/ibm/history/exhibits/storage/storage_350.html
出典: https://www.ibm.com/ibm/history/exhibits/storage/storage_PH4-15.html
24インチディスク(直径61cm)の画像

何てバカでかいディスクなんだ!ママチャリのタイヤぐらいはあるね。こんなのパソコンに入らないね。この時代にPCはないけどね。

それから、60年以上経過し、2020年のHDDはというと、主要な3.5インチサイズのHDDを例にとると、20TBの製品も誕生しており、400万倍以上の記録容量を、3.5インチ=直径約9cmなので、ざっくり1/7のサイズに小型化されたディスクで記録可能にしたことになります。

24インチディスク:3.5インチディスク:ポンデリングの直径比較した図

ママチャリのタイヤが、ミスタードーナツのポンデリング(直径約9.5cm)ぐらいに小さくなったということね。

なんか、妙なたとえだけど、間違ってはないな。その中に400万倍以上のデータがぎっしり入るけどね。やっぱり、すげー技術の進化だ。ちなみに、下図が20TBの3.5インチHDDだね。

出典:Western Digital社ウェブサイト

ハードディスクドライブの技術の進化は止まらない

SSDに主役の座を奪われつつあるが、HDDは、更なる高記録密度、大容量化を達成するための新たな技術開発が継続されており、20年代前半には、HDD主要メーカーである、ウェスタンデジタル社や、シーゲートテクノロジー社から、40TBの次世代HDDがリリースされる予定です。さらにその先には、80TBを目指しています。

次世代HDDとは、MAMR:マイクロ波アシスト磁気記録方式と、HAMR:熱アシスト磁気記録方式と呼ばれる、エネルギーアシスト記録方式を利用したHDDを示す。

シーゲイトは、ASTC基準を使用して2 Tbpsiを超える動作HAMRドライブを実証しており、ビットセル熱安定性のためのCoPtメディアの限界を超える生産前技術を使用して容量を達成しています。・・・中略

HAMRは、2019年までに20TB以上のドライブを提供し、その後もデータ密度の30%のCAGR(複合年間成長率)を継続し、2023年までに40TB以上を達成する軌道に乗っています。

引用元: Seagate Technology LLC SeagateB log 
https://blog.seagate.com/craftsman-ship/hamr-next-leap-forward-now/

 

HDDの次世代記録技術HAMR対応HDメディアの製造技術を開発  2020年2月6日

昭和電工株式会社(社長:森川 宏平)は、ハードディスクドライブ(以下、HDD)の次世代記録技術である熱アシスト磁気記録(以下、HAMR(注))に対応した次世代HDメディアの製造技術を開発しました。

・・・・・・

(注)HAMR(Heat Assisted Magnetic Recording):微細な粒子構造、耐熱揺らぎ性能、磁化のしやすさの3要素を同時に満足させることが困難な状態を指す「磁気記録のトリレンマ」を解決するために、記録時に磁性膜を局所的に加熱して記録する方法。従来の磁気記録方法を用いたHDメディアの記録密度が約1.14Tb/in2であるのに対し、HAMR技術を使用した場合、将来には5~6Tb/in2を実現できるといわれており、同じディスク枚数であれば、3.5インチHDD1台当たり70~80TB程度の記録容量が実現可能と想定されている。

引用元:昭和電工株式会社 ニュースリリース 
https://www.sdk.co.jp/news/2020/37881.html

市販のパソコンはHDDからSSDへの移行が加速し、データサーバーにおいても同様である。HDD は、長期保存用途になりつつあるが、2020年代に更なる高記録密度化を達成した次世代製品がリリースされ、更にその先は80TBの実現を目指していることがわかり、個人的にHDDの技術が残ってほしいと思っていおり、少し安心しました。

HDD業界の厳しい現実

しかしながら、HDD事業に厳しい現実があることも事実である。

時代の流れというのは、恐ろしいもので、だれにも止めることはできない。悲しいことに、ケイがかつて従事し当時3000人以上を要した事業所は、跡方もなく消滅している。まさに、栄枯盛衰である。

話しはそれるが、歴史本を読むと色々と気づかされることがあり、それは、現代社会にも通用することに気付かされることがわかる。

ケイは、歴史小説に一時期はまり、よく読んでいました。例えば、下記の平家物語もその一例です。

だれもが、冒頭の文は一度は目にしたことがあると思いますが、改めて読み返してみると、なかなか感慨深いものがあります。

ストレージ技術に置き換えても同様なことが、言えるのは、上記の通りです。

祇園精舍の鐘の声、諸行無常の響きあり。娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。奢れる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。猛き者もつひにはほろびぬ、ひとへに風 の前の塵に同じ。

【平家物語】の冒頭文より

人が活動している限り、新たな技術を生み出し、その新たな技術革新が社会に変革を与え、既存技術に置き換わり、新たな産業を生み出す。その歴史はこれからも繰り返していく。

HDDの未来は明るいのか

2020年代以降は、第5世代移動通信規格の5G技術が普及し、ますます動画データをはじめとする、情報データの爆発的な増加が見込まれ、ストレージ分野の需要が急激に伸びていくことは間違いありません。

それに伴い、SSDの需要も爆発的に増加するでしょう、一方で、HDDにおいても、SSDに対して、容量の面、コスト面でまだまだHDDの方が、有利であると考えられます。

長期保存向け用途のストレージとして、HDDが重要な役割を果たすことは間違いないでしょう。

HDD の高度なストレージ技術をできる限り後世に残してもらうことを願っています。

まとめ

HDDの動向
  • スーパーコンピューターの【富岳】世界1位 →日本の技術は世界に通用する
  • 世界初のHDDはママチャリのタイヤ並みのサイズだった
  • 次世代HDD技術MAMR、HAMR→ 40TBHDDリリース予定
  • さらなる進化→ 80TBHDDを目指す
  • 厳しい現実もあり→ 栄枯盛衰、盛者必衰の理をあらはす現実もある 
  • HDDの未来は→ 技術革新でまだまだ未来は明るい

最後までお読みいただき、ありがとうございました。また、次回のご訪問をお待ちしております。

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