ダウの犬投資法(Dogs of the Dow)とは
みなさん、いかがお過ごしでしょうか?
今年も、もう残すところあとわずかになりました。
来年に向けて、ダウの犬銘柄を見直しましょう!
ダウの犬ってなんすか?って思っている方にも、
そうでない方にも、きっとお役に立つと思います。
と言っている、わたしも、実は知らないぞ。
ケイは、今年ダウの子犬投資を実践しました。
では、さっそく、ダウの犬投資法から見ていきましょう。
ダウ犬投資法とは、米国の代表的な株式指数であるダウ工業株30種平均の30銘柄の中で、配当利回りが高い上位10銘柄に均等に投資し、1年後に再度配当利回りを調査し、上位10銘柄に変化がある場合、新たな銘柄に入れ替える投資方法のことである。
ここで、配当利回り=1株配当/株価の式で算出されるので、配当利回りが高いということは、分母にあたる株価が低迷していると考えられる。
という前提から、米国の超優良企業の30銘柄の中から、株価が、一時的に低迷していると考えられる10銘柄に1年間投資することで、ダウ平均を上回る投資成果を得ようとするシンプルでローリスクな投資戦略なのです。
この投資手法は、米国の投資マネージャーであるマイケル・B・オヒンギス氏が、自己の投資実績を検証した結果から提唱された手法です。
ちなみに、下記は、オヒギンス氏率いる資産運用管理会社のウェブサイトの引用です。
世界の犬戦略、The “Dogs of the Dow 5” (DOTD5) :ダウの子犬5銘柄についての記載や、オヒギンス氏の生い立ちなどを知ることができます。
O’Higgins Asset Management, Inc. (OAM) principally manages portfolios using several disciplined, value-based, asset allocation and security selection strategies, including MOAR (Michael O’Higgins Absolute Return), MOAR Plus, Dogs of the World, Dogs of the Dow, and Beating the Dow with Bonds.
引用元:O’Higgins Asset Management, Inc.
https://www.ohiggins.com/investment-approach
詳細を知りたい方は、下記の記事も合わせて参照してください。
2022年のダウ犬10銘柄はこれだ!
では、2022年に向けて、2021年12月23日時点での、配当利回りを基準にして、ダウ犬10銘柄を見てみましょう。(*株価は、2021/12/23終値:US$)
表1は、2022年のダウ犬10銘柄候補です。 表2は、2021年のダウ犬10銘柄です。
ティッ カー | 銘柄名 | 配当 利回り | 株価$ 12/23 | |
1 | DOW | ダウ | 5.16 | 55.14 |
2 | IBM | IBM | 5.02 | 130.63 |
3 | VZ | ベライゾン・ コミュニケー ション | 4.86 | 52.68 |
4 | CVX | シェブロン | 4.6 | 116.41 |
5 | WBA | ウォルグリーン ・ブーツ | 3.78 | 50.48 |
6 | MRK | メルク | 3.64 | 75.73 |
7 | AMGN | アムジェン | 3.47 | 223.79 |
8 | MMM | スリーエム | 3.38 | 174.97 |
9 | KO | コカ・コーラ | 2.89 | 58.22 |
10 | INTC | インテル | 2.71 | 51.31 |
必要投資額 :US$ /114円換算 | ➡ | 989.36 /約12万 円 |
表2は、 2021年のダウ犬10銘柄です。2020年12月31日時点でのデータから作成。
銘柄名 | 配当利回り | 株価$ | |
1 | シェブロン | 6.1 | 84.45 |
2 | IBM | 5.2 | 125.88 |
3 | ダウ | 5 | 55.5 |
4 | ウォルグリーン ・ブーツ | 4.7 | 39.88 |
5 | ベライゾン・ コミュニケ | 4.3 | 58.75 |
6 | スリーエム(3M) | 3.4 | 174.79 |
7 | シスコシステムズ | 3.2 | 44.75 |
8 | メルク | 3.2 | 81.8 |
9 | アムジェン | 3.1 | 229.92 |
10 | コカ・コーラ | 3 | 54.84 |
必要投資額 :US$ | ➡ | 950.56 |
上記の表1:2022年と、表2:2021年の上位10銘柄を比較してみると、表1には、シスコシステムズが無く、代わりに、インテルが候補に挙がっていることが分かりますね。
ということで、2022年のダウの犬投資法は、シスコシステムズ株を売却し、代わりに、インテル株を買い、1年保有する(リバランス:入れ替えを行う)ことになります。来年から、ダウの犬投資法をはじめる場合は、表2の10銘柄に均等割合で投資することになります。
下図1を見ると分かるように、シスコシステムズのトータルリターンは、43.93%で10銘柄中で、最高のリターンが得られています。
つまり、ダウの犬戦略に一番ハマってくれた銘柄が、シスコシステムズだったということです。2020/12/31の株価と、2021/12/31の株価を見れば一目瞭然です。
下図は、マイナスリターンだったベライゾン・コミュニケーションズと、最高リターンのシスコシステムズの1年間の株価チャートになります。真逆の動きになっていることがわかります。
この投資手法で、ダウ平均を上回るリターンが得られる可能性が高いということです。とても、簡単で迷わない投資方法ですね。本当にこれでインデックス投資を上回れるの?と思いますよね。
次に、その2021年のダウの犬投資法による実績を見てみましょう。
*シスコシステムズ株を売却するかどうかは個人の自由です。あくまでも、ダウの犬投資法に則って忠実に実行した場合の手順になります。利益確定するなら売却。もう少し様子見で保持するのもありですね。
2021年ダウの犬投資法のパフォーマンス
下図1は、2021年のダウ犬銘柄と、1年トータルリターンを表すグラフです。ベライゾンのみマイナスリターン(元本割れ:損失)で、その他の9銘柄は、プラス2%~43%の利益(税引き前)という結果でした。*グラフをクリックで拡大表示
参考までに、2021年12月23日時点でのダウ平均を構成する30銘柄を、配当利回りの高い順に並べた表3と、そのグラフ図2を記載しておきます。上位9銘柄と、シスコシステムズを合わせたものが、2021年のダウの犬銘柄となっています。
銘柄名 | 配当 利回り % | 株価 US$ | トータル リターン% | |
1 | ダウ | 5.08 | 55.14 | 5.23 |
2 | IBM | 5.02 | 130.63 | 15.25 |
3 | ベライゾン | 4.86 | 52.68 | -6.39 |
4 | シェブロン | 4.6 | 116.41 | 43.65 |
5 | ウォルグリーン | 3.78 | 50.48 | 32.3 |
6 | メルク | 3.64 | 75.73 | 2.69 |
7 | アムジェン | 3.47 | 223.79 | 3.49 |
8 | スリーエム | 3.38 | 174.97 | 3.46 |
9 | コカ・コーラ | 2.89 | 58.22 | 12.41 |
10 | インテル | 2.71 | 51.31 | 11.8 |
11 | JPモルガン | 2.54 | 157.26 | 29.44 |
12 | ジョンソン &ジョンソン | 2.52 | 168.25 | 13.14 |
13 | シスコ・ システムズ | 2.38 | 62.28 | 43.93 |
14 | トラベラーズ | 2.28 | 154.65 | 14.2 |
15 | P&G | 2.17 | 160.1 | 19.19 |
16 | キャタピラー | 2.15 | 206.2 | 17.24 |
17 | マクドナルド | 2.08 | 265.95 | 28.71 |
18 | ゴールドマン ・サックス | 2.08 | 385.04 | 52.93 |
19 | ハネウェル・ インターナ ショナル | 1.91 | 205.22 | -0.38 |
20 | ホーム・デポ | 1.66 | 397.07 | 49.62 |
21 | ウォルマート ・ストアズ | 1.58 | 139.49 | -1.25 |
22 | ユナイテッド ヘルス | 1.17 | 495.38 | 47.42 |
23 | アメリカン・ エキスプレス | 1.05 | 164.19 | 41.55 |
24 | ナイキ | 0.74 | 165.67 | 17.88 |
25 | マイクロソフト | 0.74 | 334.69 | 51.51 |
26 | ビザ | 0.69 | 216.62 | 4.43 |
27 | アップル | 0.5 | 176.28 | 34.4 |
28 | セールスフォ ース | 0 | 253.14 | 12.12 |
29 | ウォルト・ ディズニー | 0 | 153.63 | -11.57 |
30 | ボーイング | 0 | 204.22 | -5.95 |
2021年ダウの犬投資方法 VS ダウ平均連動ETFのパフォーマンス比較
では、2021年のダウの犬投資法の1年トータルリターンと、ダウ平均と、参考としてダウ平均に連動するETFの1年トータルリターンとを比較してみましょう。
この比較手順も、ダウの犬投資法に則り、下記の手順で行います。
- 10銘柄のトータルリターンを算出する
- 全リターン=10銘柄トータルリターンを合計する
- 全リターン/10=平均リターンを算出する
- ダウ平均のトータルリターンと比較
その結果は、下記の通りになりました。
ダウ平均のパフォーマンスの方が上回ったが、
ダウ平均30銘柄すべてに投資した場合 ➡約62万円必要 (2021/12/23時点)
【DIA】ダウ平均連動ETF に投資する場合(海外ETF)➡約42万円/10口単位(2021/12/28時点)
【1546】NFダウ・ジョーンズ工業株30(国内ETF) ➡40,590円/1口単位 (2021/12/28時点)
ダウの犬投資法にした場合 ➡約12万円(2021/12/23時点)
通常の平均的なサラリーマンの給与では、30銘柄全てに投資するのは、資金的に大変かと思われます。ダウ平均と同等のパフォーマンスが得られるダウ平均連動型ETFに投資する方が、賢明な判断かもしれません。
2022年もダウ犬投資法でいくのも、もちろんありです。15%のトータルリターンが得られれば十分な成果であると考えられます。2022年は、ダウ平均のパフォーマンスを上回ることを期待して。
但し、過去の実績であり、来年のリターンが保障されているわけではありませんが・・・。そこのところは、どのような投資戦略でも、同じことなので、悩む必要はないでしょう。
ダウの子犬投資法とは
上記のダウの犬投資法のほかに、ダウの子犬投資法というものもあります。
投資方法の手順は、ダウの犬投資法と同じ手順ですが、投資する銘柄を、配当利回りの高い上位10銘柄かつ、株価が2番目に低いものから、6番目に低い銘柄の計5銘柄に投資する方法です。
株価が一番低い銘柄は、避けることがポイントです。この投資法であれば、更に投資金額を抑えながら、ダウ犬投資法と遜色ないリターンが期待できるとも言われています。
但し、分散効果としては低くなりますので、リスクは高くなります。更に、ハイリスクですが、3銘柄でもよいとも記載されています。
2022年ダウ平均は$40,000(4万ドル)を超える!?
ダウ工業株30種平均のインデックスは、1896年に12種平均で算出開始され、1928年に30銘柄となり、幾度の暴落を経て上昇を継続し、2021年現在では、$36,500にまで成長しています。
今後も、さらなる上昇が予測されており、4万ドル超えを達成し、さらに上昇するような予測もされています。
下記の書籍は、現在からおよそ12年前の、2010年に発行されたものですが、この著者が、ランダム・ウォーク・モデルに基づいたモンテカルロシミュレーションを行った結果、
ダウ平均は、2022年ごろには、4万ドルになり、2030年には、6万ドル近傍まで上昇するとの結果が示されています。その他の書籍でも、似通った予想を示しているものも存在しています。12年前の予測としては、あながち、間違ってはいないと言えそうです。
将来的にもまだまだ、ダウ平均に期待できそうです。
1999年に予言していた書籍がこれ。
ジェームズ・グラスマン、ケビン・ハセット両氏の共著「Dow 36,000」は今週、予言の書となった。・・・中略
この本が出版されたのは1999年10月1日。この日のダウ平均の終値は1万0273ドルだった。それから22年余りが過ぎた今月1日の午前9時42分、ダウ平均は一瞬、3万6000ドルを超えた。本の予言がついに現実になった。
https://jp.wsj.com/articles/dow-crosses-36000making-a-books-prediction-just-two-decades-late-11635840063?reflink=desktopwebshare_permalink
まとめ
残念ながら、2021年のダウの犬戦略は、インデックス投資成果を上回ることが、出来ませんでした。
しかし、ダウ平均30銘柄は、米国の超優良企業(ブルーチップ銘柄です)が厳選されていることから、倒産する心配は限りなく低く、30銘柄自体も選定条件をクリアできなければ、入れ替えられています。
つまり、業績不振の企業は選定から外され、入れ替えが行われます。
このようなことから、ダウ平均の30銘柄であれば、投資銘柄として適格であると考えられます。その中から、更に、シンプルな方法でダウ平均を上回るリターンが期待できる方法が、ダウの犬投資法、子犬投資法ということです。
★2021年ダウの犬投資法の1年トータルリターン ➡15.602% (平均リターン)
★ 2021年は、ダウ平均を上回ることができなかったが、シンプルで十分なリターンが期待できる有効な投資法
★2022年ダウ犬10銘柄 ➡ 表2参照
★投資資金を抑えたダウの子犬投資法もある
★ダウ工業株株30種平均は、2022年ごろ4万ドルを超える予測もある
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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*最終的な投資判断は、投資する者の自己責任において行って頂きますようお願いします。
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